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K・M・ワイランド『ストラクチャーから書く小説再入門〜個性は「型」にはめればより生きる』読了。前から欲しいと思っていた本――の横にたまたま並んでいたので、立ち読みしたところ軽くて面白そうだからという衝動買いで手に入れた一冊。読後感は期待通りのあっさりで、要点は飲み込めたからよかったかな、というさっぱりしたものだ。▼小説と映画を一緒くたにしすぎている気はするが、シーンとシークエルの連続でプロットを繋げていく定番手法の紹介などは端的でわかりやすい。具体例は作品が絞られすぎていてやや無理やり感もある。「それでは名作がどうなっているか見てみよう」といっても、長編作品から一部を抜き出して型に嵌めようとすれば、たいていなんとでも言えるものだ。この本の持ち味は、恐らく例示にはない。▼読みやすい、わかりやすい、心に留めておけばいつか役に立つかもしれない。その手の読み物としては満足している。良い薄味である。
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