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昔、高校時代の恩師が餞に来れた言葉を思い出す。「なんでもやりたがる好奇心は良いけれど、お前が大きく失敗するとしたら、それはお前の本筋と関係の無い横道に入れ込み過ぎたときだと思う。お前の持ち味はそこじゃないよ。」▼「そこ」と言うのは、私が大学で勉強してみたいと話したラテン語のことを指している。たしかに当時はラテン語に限らず古い諸外国語に興味があった。けれども、今思えば先生の方が私のことをよく理解していたのだろう。結局、それらは一過性の興味に過ぎなかった。やがて語学のことは忘れていった。代わりに文学と哲学にのめり込んだ。数学や工学も楽しかった。そのうち音楽に出会った。そんなクリエイティブな諸々の方が、自分の芯に近い実感があった。▼今、また少しずつ興味が拡散している。こういうときはいつも冒頭の餞を思い出す。面白そうだと思う全てを極めるには、個人の人生は短すぎる。一過性の興味に引きずられないこと。
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