400
Post/Edit Page
『ベスト・アメリカン・短編ミステリ2014』読了。バックナンバーも買いたくなる良質のアンソロジーだった。▼ランドール・シルヴィス「インディアン」。暴力と暴走。兄弟モノは登場人物同士の距離感が見所だと思っているが、その点でも満足できた。パトリシア・スミス「彼らが私たちを捨て去るとき」。日本でそれなり上品な生い立ちを持つとこういう《クズ息子》を想像するのは難しいものだが、結末に納得できるだけの主人公への共感は得られる。挿入詩の力も強い。ベン・ストラウド「シナモン色の肌の女」。これは無し。探偵物なのにさしたる推理もなく、オチも只々気味が悪い。ハンナ・ティンティ「二つ目の弾丸」。筋書きよりも空気とアクションが魅力の活劇。好きな人は好きかもしれない。モーリーン・ダラス・ワトキンス「束縛」。しつこいくらいに引っ張って、これはダレたかと思わせつつ、最後のオチはなるほどと思わせる。語り口もユニークで良い。
pass:
Draft