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ひょんなことから「なかなか」という言葉について考えだした。なかなか、とはどういう副詞だろうか。▼肯定的な述語を伴う場合、なかなかよく出来ている、なかなか良い状態だ、などの「なかなか」は、最高とは言えないが上出来という程度の位置づけに物事を評価している。否定的な述語を伴う場合も、なかなか厳しい、なかなかつらい、など、形容詞を強調しつつ極端ではないことを匂わせている。一方、否定「〜ない」を伴う場合、なかなか進まない、なかなか出来上がらない、なかなか調子が出ないといったように、事の進捗具合が思わしくないときに使われている例が多い。▼これら三通りの例から考えてみると、中々という漢字からもわかるように、極端ではないが、と前置きするようなニュアンスを伴う程度の強調、とくに、「私が思っていたよりは」とでも言いたげな、主観的な評価の空気を醸すために用いられる副詞だと言えそうだ。明日、広辞苑でも見てみよう。
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