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たいした量ではないが、殴り書かれた英語を和訳するという、ちょっと経験のない仕事を片手間にしてみて、カンマの万能さを思い知った。▼これまで訳してきた英文は、勉強であれメールの翻訳であれ、原文はちゃんと思考と主張が整理されていて、正しく訳せば正しい日本語の文章になるはずのものばかりだった。しかし、このたびは原文がすでに文法も内容もあやしいので、目指すべき正解の存在が疑わしい状況。こうなると難易度は一段上がる。口語体の混入もさることながら、カンマが頻繁に現れては主題を飛ばし、文法を薙ぎ倒していくのだ。とはいえ訳出語の文章は自然に見せなければならないから、ときどき意訳が火を吹くことになる。こういうとき物書き時代に蓄えた言い回しや語彙の引き出しは頼もしい。▼昔、生徒にもよく言ったことだが、和訳に必要なのは英語力より日本語力である。英単語の意味を繋げて流暢な日本語が浮かんでくれば、訳は自ずと成るのだ。
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