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「家系ラーメンが美味しいと思えない」と言われたので、私もそう思うと答えたら、「それなのにどうして食べるの?」と訊かれた。明確な回答はある。しかしそれを披露する前に、まずは寿々喜家について書かねばなるまい。▼家系と言えば長いこと壱八家で満足してきた私だが、ちょうどつけ麺の方で一燈やとみ田に行脚し始めた頃、家系も頂点を食べてみたくなり、上星川の「寿々喜家」へ行った。辺鄙な立地、古びた店舗。しかし肝心の味は下馬評通りで、家系の型に則りながらここまで旨いラーメンが作れるものかと感動さえした。▼ただ、同時に家系の限界も感じてしまった。家系は、たぶんこれ以上は旨くは出来ない――いや、これ以上旨くしたら家系ではなくなってしまう。家系とは、要するにジャンクなのである。「旨い、旨い!」と息を切らせて食べるような絶品ではありえないが、だからこそたまに食べたくなるのだ。夜中のカップラーメンと同じジャンルである。
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