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第2期叡王戦、本線第一回戦、羽生三冠vs山崎八段の棋譜を見る。横歩取りから開戦した空中戦、相手の喉笛を狙い合う桂馬の飛び合い、終盤に入っても尚詰め切れず、起死回生の角から精算して仕切り直し、161手の激戦を制したのは、やはりというかなんというか、来る年も来る年も衰えつづけて未だ全盛期の羽生三冠であった。かなり見ごたえのある棋譜である。▼現実味を帯びてきた羽生さんと将棋AIの真剣勝負だが、私は見たい気もするし見たくない気もする。正直、今のAIが何の制約条件もなく全力を出したら、どうあがいても人類では勝てない。もはや人間vsAIの思考ゲーム対戦は、AI側にどういう枷をかけるかという段階まで来てしまっている。ディープラーニングはデータ量と階層を増やせばいくらでも強くなるのだから、勝負の結果がどうあれAI側が「全力」でない以上、誰をどう褒め称えるべきか、戸惑う結果になってしまいそうな気がするのである。
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