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昼食。同僚のiPadで雑貨紹介の雑誌を見ていたら、こんなアオリを見かけた。曰く「朝のティーシーンを華やかに……」云々。▼ティーシーン。なんというパワーワードだ。思わず笑ってしまった。ティータイムならまだわかるが、ティーシーンである。朝、紅茶を飲む。凛としてさわやかなリビングで。出社までは何十分もある。ソファに腰を沈めてお気に入りの雑誌を開きながら、悠々とした優雅な時間を過ごすセレブな私――そんな価値観が透けて見えるような言葉ではないか。このティーポッド、朝のティーシーンにぴったりかも……。自らの紅茶の時間がシーンになるという客観視。まるで映画の登場人物になったような気分である。▼断っておくが、馬鹿にしているわけではない。逆だ。手放しに誉めている。この言葉の響く人が、この商品の見込み客なのだ。ピンと来ない人は、すなわち私のような冷めた人は、どうせ買う人ではない。さりげなくも秀逸な言葉選びである。
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