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いつからか高級イヤホンの世界についていけなくなった。買う買わないの話ではなく、情報を追うのも諦めた格好である。▼原因は値段の異常な高騰だ。ほんの数年前まで、高級イヤホンのハイエンドは量販店モデルなら十万円がせいぜいだった。それ以上の価格の品はマニア向けのメーカーが通販で出すか、あるいは個人ブランドの改造品だった。数千円を妥当とするイヤホンの世界で、こだわる人が万札を投じ、その頂点に十万円クラスが君臨する。この分布は自然なピラミッドに思われた。▼しかし最近のハイエンドは毎年のように値段が上がり、今や三十万や四十万も当たり前になってきている。明らかに異常な上昇率だ。ミドルレンジとの乖離も激しく、価格を正当化する説得力も乏しい。すでにハイエンドを購入してしまった人が買い替える口実を与えるためだけに値段を吊り上げているかのような不自然さである。不自然な品を憧れの対象として見ることは、もうできない。
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