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AI界は今、二つの誤謬のあいだで揺れている。人間過信と人間軽視だ。▼過信派は、たとえAIがどれほど賢くなろうと人間にしか出来ないことが残ると信じている。人間には意志がある。意味を解する力がある。機械にはそれらがない。だから、AIは人間を超えられない。▼一方、軽視派は、人間の思考過程など全ては電気信号の連鎖に過ぎないと考える。故に、AIの情報流通量が規模の面で人の脳を大きく上回れば、もはや人間に出来てAIに出来ないことなど残らないと思っている。人は物理の奴隷に過ぎない。自由意志などまやかしである。十分に巨大化したAIは生命に等しいのだ。▼新井紀子『AIvs教科書が読めない子どもたち』読了。著者はどちらかというと前者――過信派に属していると思われる。書籍の前半にはあまり同意できないが、後半、中高生の読解力を測る大規模実験と衝撃の結果については見事な仕事である。総じて教育に関する箇所は面白かった。
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