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ベッドマットレスを探しにみなとみらいのIDC大塚家具へ行ったのが四年前。案内担当者はマットレスの蘊蓄をあれこれ語ってくれるが、どう話を進めても結局は大塚家具のオリジナルブランドに勝るものはないと言って譲らない。挙句、必要ないと明言しているのに、お買い得だという羽毛布団を執拗に勧めてくる。利益率の高い商品に誘導したい気持ちはわかるが、営業に張り付かれているようで気分はよくなかった。心ひそかにもう行くまいと思い、以来、足を運んではいない。▼大塚家具が経営難に陥り売却を検討中というニュースを見かけて、当時のことを思い出した。私のこの面白くない体験が、私だけでなく多くの人に共有されていたのだとしたら、あのときすでに凋落の兆候は見えていたことになるだろう。売りたい気持ちが前に出過ぎて余裕をなくしたブランドからは、人は離れていく。ブランドは求められるものではなければならない。押し売りは逆の発想である。
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