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歯医者へ行く。取れた銀歯は十二年前に作ったものだそうだ。古くなっているし、銀歯の中も虫歯になっていたので、削って作り直すことになった。そんな気はした。▼レントゲン写真を見ると、歯の形状に対して神経が少し奥の方へ引っ込んでいた。染みたり響いたりして刺激を受けると、神経が自分で壁を作って後退していくのだそうだ。正確なメカニズムは知らないが、そう説明された。▼削る。浅いので麻酔なしと言われたが、ドリルの音が鳴り止むたび「もうちょっとですね」「もう一息ですね」「まだ出てきてますね」と言われる。だんだん不安になってくる。けっこう奥まで掘り進んでいるようだ。それでも痛くはない。痛いが、我慢できないほどではない。最初に神経が引っ込んでいると説明されたことも気分を軽くしてくれた。引っ込んでるなら、多少痛くても大丈夫だろう。そんな気分である。▼歯の治療の怖さの大部分は「わからなさ」にあると思った夕方だった。
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