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Synchron Concert D-274の調整日誌。二日目。▼低音の重厚な響き、中音域のやわらかさと抜けの良さ、高音の煌びやかな硬さ。なかなか三者並立しない。うまく全取りできるような設定が見つかると、無理が祟って今度は音がこもっていたりする。そのこもりの原因を取り除くと、高音がスカスカになったり低音のアタックが弱くなったりする。かといってピンポイントで問題に対処するようなイコライズをかけると、結果的に全体のバランスが歪んでしまう。毎度のことながら、行ったり来たりで悩ましい。▼わかっている。「諦めること」を決めないと、永久に堂々巡りしてしまう。ましてや今度はスタインウェイであってベーゼンドルファーではない。高音の輝きを諦める代わりに中低音の響きの広がりを取るとか、逆に低音を、古めのピアノ録音よろしくホールの響きだけが後から聞こえてくるようなローアタックな設定にするとか。そういう手も考えなければならないだろう。
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