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AならばBである。BならばCである。CならばDである。では、AならばDは確実だろうか。▼少なくとも論理の世界では、確実である。Aであるなら胸を張って、Dであると断言しなければならない。だが、現実の世界で同じ状況に出くわしたとき、Dだと断じるのは意外と難しい。AやBに自然言語で記述された複雑な命題が代入されると、とたんに論理の規則まで揺らいでくる。AならばB、BならばCだけど、待てよ、Bじゃなくてβという可能性もあるのでは。そうしたらDとは言い切れないんじゃないか。そうだよ、もしDだとしたら、最初はAじゃなくてαの方がありそうだし……。そんな支離滅裂な議論に、平気で落ち込んでしまうのだ。▼AやBの具体的な表象に惑わされず、Dだと断じることに迷わない、悩まない、時間をかけない人のことを、論理力があるという。それだけである。話し方とか、フレームワークを使いこなせるとか、そういうことではないのだ。
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