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最初は、設定を盛りすぎて失敗する。だが、それは悪いことではない。あれもこれも格好良く思えてしまうのは、それだけ自分の中に鮮やかな記憶を蓄えてきたからだ。芯から憧れるものに数多く触れてきた証である。つまり、準備はできているということだ。▼だから、次は美化された記憶を整理しなければならない。自分が本当に好きだったものは何なのか、見極めなければならない。真に格好よかったのは設定ではなく、その設定を活かすプロットの方ではなかったか。あるいは二つの要素の掛け合わせではないか。クライマックスを描き切る技術力か、全てが噛み合った世界観か、それとも実は作者の人柄に惚れただけなのか。▼表現の神髄は自分と向き合うことだとよく言われる。心の内面を重視しすぎた見栄えの良い御託のように聞こえることもあるが、突き詰めればきっとこういうことなのだろう。私は、私が本当は何を好きなのか、思ったよりはっきりとは知らないのだ。
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