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パラフレーズ。英語に限った話ではない。日本語だって、なるべく同じ言葉が連続しないよう意識してパラフレーズする。まったく同じ単語を羅列するのは、使える語彙が限られているとか、その方がリズムが良くなるとか、徹底的に同じ単語を強調したいとか、何か連続させる意図や制限があるときだけだ。そうでなければ、通常、書き手は文章に豊かさを求める。パラフレーズは、その基本中の基本である。▼だが、似た意味の単語なら何でもパラフレーズの候補になるわけではない。意味的には交換可能な単語同士でも、硬さや柔らかさ、意味合いの強さ、暗示するニュアンス、周辺語彙との相性――様々な属性が異なる。異なるからこそ、複数の言葉が今に生きている。硬い表現を次は崩して息を抜くのか、より硬くして襟を正すのか、冗長さを嫌ってひとつユーモアを込めるのか、そういうせめぎ合いの中、最高の表現を求めて言葉を選択することがパラフレーズの本懐である。
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