2006年03月22日

●崩し

少林寺拳法の本部合宿に行ってきた。
とてもいいものを得たので、武道のところに書いてみようと思う。

数ある技術の中でも、自分は投げ・固めという系統について強い関心を持っている。
初めて触れた武道が柔道だったことが最大の原因かと。

投げ技の肝心な要素は相手の重心操作だ。
相手を不安定な体勢にするこの操作を、一般的に崩しと言う。

崩しは、投げにつながる最も重要な動きだ。
崩しなくして投げは考えられない。
そして、崩し→投げの技術を競技として体系化し、芸術にまで昇華させたのが柔道というスポーツだ。
当たり前のことだが、崩しの技術は柔道だけのものではない。
相手の体勢を不安定にするという意味においては、投げに限らず、あらゆる武道に崩しは存在するだろう。

少林寺拳法に、鈎手守法という技術がある。
相手に体の一部を掴まれたときに取るこの体勢は、抜き技、逆技など様々な技術へ連絡・変化する。
鈎手は崩しなのだ。
自分が守った瞬間、相手の体勢は崩れている。
守りの体勢が即反撃の伏線になっているのは、護身術としての少林寺拳法の大きな特徴だろう。
極端なことを言うと、鈎手守法があって初めてその後の反撃が活きてくる。

新しい技術を習うと、とかくその詳細に目が行きがちだが、実はその前段階がとても重要だ。
言葉では分かっていたのに、今まで自分はこれを実践できていなかった。
今回このことに気付いて本当によかったなぁと思う。

色々と方向性が逸れたけど、要するに基礎は肝心だ、というお話でした。